あなたの老化情報は体の個々の細胞に書き込まれる仕組みとなっています

タイムパイ研究所(抜粋)

10年前に遺伝時計が誕生し、それ以降、もはや出生年齢は正解とは言えなくなりました。
いつでもどこでも自分の老化状態を簡単かつ正確に表す「体内時計」の出現に人々の期待は高まっています。

腸内細菌は老化を測定し、長寿の可能性を明らかにするようです。

老化に関連する生物学的マーカーとして、人体のさまざまな微生物群が発見されています。研究によると、年齢が上がるにつれて、人体の腸内細菌群はますます「異なったもの」になることがわかってきました。主流の細菌群は大幅に減少し、徐々にさまざまな希少な細菌群に取って代わられます。 腸内細菌の独自性と、人口統計情報、臨床健康診断指標、食生活、日常生活習慣との関係を分析すると、健康状態が良好ではない体内では特異性が増加しなくなるが、健康な高齢者では増加し続けるといわれています。

 Insilico Medicine のザボロンコフ博士らは、ディープラーニング技術に基づいて、腸内細菌群の状態と暦年齢の関係を反映する数学的モデルを確立しました。生理学的年齢を反映する 39 種の腸内細菌が推定され、糞便や尿中の揮発性有機化合物(揮発性有機化合物)から検出されました。この方法は、非接触で低コストにサンプリングが可能で、個人の内因性代謝を反映した分析ができ、高齢者の老化のさまざまな違いをも効果的に識別できます。

目を通して、外に対しては世界をながめ、内に対しては老化を見つめる

網膜は心臓、脳、腎臓などの重要な器官と同様に、胎児の起源、生理学的特徴、解剖学的構造を持っています。 網膜は、微小血管と経絡が観察できる体内の唯一の器官として、血液循環状態を忠実に反映し、脳と同じ神経に関わる病理学的変化を示します。 また、眼底撮影と人工知能解析により網膜年齢を求めることができ、他の「体内時計」にはない、迅速、経済的、非接触な老化検出方法です。アルゴリズムモデルから、網膜年齢が 1 年増加するごとに、心血管疾患や癌以外の特定の原因による死亡リスクは 3% 増加すると解析されました。網膜年齢は無関係な要因の干渉が排除されているので、同一人物の予測結果は検査後1~2年有効であるなど、信頼性が高いという特徴があります。

身体の動態指標: 歩数と血液で老化を測る

Dynamic Body Index (DOSI) は、完全な血球計算結果に基づいて計算される指数で、体の状態の評価、死亡率予測を使命とします。研究者らはこの新しい指標に基づき、歩数や血液検査 (全血球計算) を含むDOSIデータベースを分析した結果、人の人生は次の 3 つの部分に明確に分けられることがわかりました。DOSIの観点からは、人間の成長と発達のプロセスは基本的に30歳まで続き、老化は一般的に35歳から始まるとされています。さらに明らかになったこととして、高齢者ではDOSIの変動が大きく、正常に戻るまでに時間がかかるということがあり、寿命限界の予測と新たな老化指標「回復力」という2つの大きな成果が得られました。

同一の身体に異なった年齢? 臓器が異なっても相当の老化が起こる

2022 年、「Cell Reports」の発表によると、臓器やシステムによって老化速度に違いがあることが指摘されました。体内には複数の「時計」が存在して、共同して老化のプロセスを制御するというものです。
調査された9つのカテゴリーの中で、心血管系の年齢は人体の実際の年齢と最も強い相関関係があり、年齢とともに大幅に増加します。一方、腸内微生物群は、データの相関関係であれ、変化の大きさであれ、生物学的年齢は暦年齢の増加にはあまり影響されませんでした。
人間の体のさまざまな部分のほとんどは独自の「時計」を持っており、それぞれのリズムに従って避けられない老化の道を比較的独立して歩むことができますが、同時に完全な生物体である人間としてシステム間は相互に関連しています。この多臓器複合時計の応用可能性を検証するために、研究者らはGWAS(ゲノムワイド関連解析)によって得られた遺伝情報(合計7236472個の共通一塩基多型)を利用することで、皮膚、栄養代謝、肝臓、性ホルモン、体力、心血管系の生理的年齢時計から体の平均余命を大胆に予測し、人口の死亡率の予測でも良好な結果を示すことができたようです。

一枚の葉が落ちて世界は秋を知る、老化の現れは1つの遺伝子で説明できる

深セン大学の研究者らは、、Glb1-2A-mCherry (GAC) 遺伝子にもとづく老化検出システムを構築した。このシステムは、老化細胞で高発現すること、ストレスによる老化と複製老化の二重の状況をカバーすること、組織特異性がないことなどの利点を有しており、生体の老化過程を厳密に検出することができます。同時にGACモニタリングシステムは中年期により適しているようで、マウスのGAC発現は加齢とともに著しく増加し、中年期ではより高い相関関係に達しました。 したがって、GAC は老化に関連した健康状態をより早期かつ正確に検出できると推測できます。「老化検出器」としての GAC モニタリングは、自然な老化ではなく、加齢に関連した病気のリスクと死亡リスクに焦点を当てており、これが GAC が際立つ最大の利点です。

サンプル採取もせず、計測器がなくても、老化は肉眼で確認できる

実年齢よりも老けて見える人もいれば、実年齢より若く見える人もいるのはなぜでしょうか?

実際のところ、美容医療やメイクのおかげで若く見える人は、アンチエイジングや寿命の延長に優れています!  外部評価者によって面前で判定された人の年齢は「知覚年齢」と呼ばれ、科学的に証明された重要な老化指標の 1 つとなっています 。

1826組の一卵性双生児の老化に関する継続的な研究(LSADI)から、一様に受精し成長した双子においても10歳の知覚年齢差が存在し、この年齢差はさらに死亡リスクとも直接つながり、知覚年齢差の1歳は、7年以内の死亡確率を8-19%増加させることを示しました。更なる研究から、知覚年齢差は老化に関わる健康状況の劣化となって、心血管疾病リスクの増加、骨密度の低下、認知機能の低下、慢性閉塞性肺疾患と密接に関係することが実証されました。

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